〜 その1 解体準備 〜

〔H.16.09.30〕
【旧客殿屋払い荘厳】
床の間に諸神を祀り、今日までの感謝を行なう。
柱、畳、瓦、建具…そして工人、先祖の魂へ供養の儀。
ここに到るまで何が大変だったかと言えばもちろん寄付のお願い(今も継続中)ですが、それ以外に挙げるとすれば、やはり「片づけ」です。「あまり荷物がないから」と余裕を持っていましたが、いざフタを開けてみると…大変でした。捨てられない…また使うかもしれないという気持ちに揺れながら約3ヶ月掛かりました。

そしていよいよ建物に感謝を捧げ、全てに対し供養と解体時の工事安全の祈願。九州地方では「屋払い」と言うらしいのですが、詳細は不明です。神供(じんく)と呼ばれる祭壇を祀り、弘法大師のお力をお借りして、諸全神に感謝の供養をしました。約160年…建立して下さった先師、先祖、そして職人への感謝も丁重に行ないました。

〔H.16.10.02〕
【荷物搬出】
植木の移植や古材の切り出しは同時進行で行なう。

12日からの解体が正式に業者から知らされ、全てにおいて慌ててしまう。電気、水道を止めたり、植木の移植と伐採、庭石の移動など解体業者が入るまでに行なわなくてはならないことが山済みでした。客殿内にある持仏堂の仏さまは本堂へ移し、その他仏具は仏具業者に預けることに…トラックが何度も通う「大規模な引っ越し」となりました。以外と邪魔になる物は「座布団」と「火鉢」…場所をとるので苦労しました。

もう一つの難題が古材の切り出し。また何かに使えそうな材木を最低限度切り出していくのです。床の間や飾り板など切り出していきました。「あれもこれも」の心を抑えながら…。実は旧客殿の材木を再利用したいと検討もしました。でも、解体だけで3ヶ月かかってしまう。それに伴う費用は莫大で涙を呑みました。

〔H.16.10.08〕
【旧高梁川水害跡】
今から約100年前の水害跡。
悲しい歴史ですが、地域とっては大切史跡。
高蔵寺の客殿を新築ではなく、改築で…とのご意見が多かった1つに『旧高梁川水害跡』がありました。壁の高い所に水に浸かった跡が残っているのです。
【水跡切り出し作業】
誰も今までしたことない作業だった。
あ〜でもない、こ〜でもないと難航した。
何度もこの水跡の話題で新築案が流れました。そしてこの度は水位を記録し、水跡を切抜き新客殿に埋め込むということになりました。しかしひと口に切り取ると言っても指南の技。モロく重い漆喰壁は想像以上に手強い作業となりました。

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