Round1 住職の呼び名はおじゅー
名前ってのは呼び方で相手との距離を確認出来る。
思わぬ呼び名で呼んでもらえれば「嬉しい」や「腹立たしい」が込み上げてくる。
職業の呼び方もさまざま…。
今ではいろんな規制もあってギコチナさを感じる。
それじゃ、坊さんをどう呼ぶか?
陰では「クソ坊主」かもしれないが、目の前にいる坊さんに対し、どう呼ぼうか?
そして坊さんはどう呼ばれたいのか?
坊さんにさまざまな年齢も存在するし…さあ、どうしましょ?
住職になってからしばらくが経ち、檀家さんも私の顔をだいぶ覚えてくれたようである。
そんな中、よく「住職のことはどう呼んだらいいの?」と聞かれる。
先代が八十歳のおじいちゃんだったから、孫の私をどう呼ぶか悩むらしい。この倉敷あたりで一般 的なのは、やっぱり「おじゅっつあん」という岡山弁での呼び方。
「つあん」が「さん」ではないところがポイントである。
「はっつあん」の「つあん」である。
「つあん」のほうにアクセントをつけて欲しい。
ゴマすり業者は「せんせい〜」と呼ぶ。
私も時々呼ばれるが、この呼び方に決して尊敬は感じない。
でも「せんせい〜」に気持ち良さそうに「おう!」と肩で風切っている「南の帝王」ならぬ「南の坊主」に出くわすこともある。
「兄貴〜!」にしてもらえばいいのにね。
この他では「おしょう」とか「いんげ」とか「おっさん(宗派違うじゃん)」も時々聞く。
けど、やはり「おじゅっつあん」が一番多い。
私は若い時(今も若いが)は、やはり抵抗があったけど、だんだん慣れてきて今ではこの呼ばれ方が一番親しみを感じ、檀家さんとの距離が近くなったと実感でき嬉しい。
この 「おじゅっつあん」は言うほうもちょいと抵抗があるようで、呼び慣れぬ奥様などは緊張のあまり「おじゅっちゃま」となることがある。
その時はお互い顔が赤くなるので「ハイ、おじゅっちゃまです」と乗ってみせるが、大抵失敗に終わる。
寺子屋(サタデースクール)でも当初、子供達にこの「おじゅっつあん」と呼んでもらおうと思っていた。
しかしこれが誠に評判が悪い。
たまに呼んでくれても「おじゅっつあん」の「つあん」で声が小さくなってしまう。
子供達に言わせれば、どうもお年寄りの言葉のように感じてしまうらしい。それじゃあ、どう呼んでもらうか?
「せんせい」はどうも気持ち悪いし、「こうゆうさん」もいまいち馴染まない。
「たかちゃん」や「たっくん」ではご機嫌の時はいいけど、ご機嫌ななめの時はゲンコツの被害者が増えそうだし…。
そんな中、一年かかって子供達がつけた呼び名が「おじゅー」&「おじゅ」。
最初は耳をうたがった。
しかし、この「おじゅー」がなかなか心地いい。
友達感覚とお坊さんの伝統的な呼び名と岡山弁が合体し、現代っ子のセンスで完成した高蔵寺オリジナルの呼び名「おじゅー」&「おじゅ」。
発音は「お」にアクセントを置き、決して「じゅー」をコギャル風「おじゅーぅ」と上げてはいけない。
21世紀はこの呼び名で高雄住職大ブレークの予感?(んなアホな)
(1999/10)
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