法話って難しく堅苦しい?
いいえ、そんなことはありません。
わかりやすく短い法話を集めてみました。
ちょっと疲れた時、心が渇いた時、是非どうぞ。

第9話 遍路と施し

お遍路にはお接待という施しの行があります。行き交うお遍路さんにお菓子や飲み物、宿などを施します。
これには、お遍路さんの同士のお接待もありますし、普通 の方からお遍路さんへという場合もあります。

このお接待という行為は、お遍路さんがんばれと激励の意味だけでなく、施す側の修行でもあります。
施しというのは、受ける側とする側の心構えがたいへん重要です。
近ごろでは、車を利用をしてのお遍路が増えています。
それに伴ってお接待にも新しい施しが現れているそうです。

先日、あるバスの運転手さんにこの様なお話しをうかがいました。
お四国の中でも難所とされる高知・足摺岬でのことです。
ここはお遍路さんが足を引きずりながら歩くといわれて名前がついた場所です。
その場所をん大雨の中、運転手さんは、大型のバスに約40名の信者さんを乗せ、次の札所へ向かっていました。
信者さんたちは、何度も遍路に参加しているいわばベテランです。
しばらく走ったところで、雨にぬ れながら懸命に歩く1人の若いお坊さんを見かけました。
信者さんたちは、口々に「かわいいそう、バスに乗せてあげましょう。」と言い、バスを止め、お坊さんに乗っていただくようお願いしました。
お坊さんはかたくなに断りましたが、皆さんの熱意にバスに乗り、次の札所までという約束をしました。
約20キロ走り、もう少しで札所というところでお坊さんは降車しました。
信者さんたちは善意を尽くせたと満足でした。
しかし次の瞬間、自分たちが間違ったお接待をしたことに気づかされました。
バスを降りたお坊さんはバスに深々と一礼し、もと来た道を歩き始めたのです。
お坊さんは歩くことを心に決め、お遍路していたのです。
お遍路ではお接待を断ることは原則としてできません。
ですから、バスの方々の好意を受け止め、その後自分の心に決めた行を再開したのです。

施す側にもしっかりとした心構えが必要であり、相手の立場を今一度考えるということが必要です。
「小さな親切、大きなお世話」という言葉がありますが、良かれとと思ったことが、相手には迷惑ということが意外と多いのではないでしょうか?
お遍路ではお接待をしなければならないと思っている方がおられますが、その前に遍路行とは個人個人の自行だということをしっかりと認識し、互いの行を妨げるようなお接待はあってはならぬ ことです。
福祉やボランティアなど盛んに話題となる昨今ですが、これは私たちの生活の中でも言えることではないでしょうか?

今までの読む法話↓

第1話  いのちを生かそう
第2話  父母の役割
第3話  おかげのお水
第4話  良い方へ考える
第5話  地獄見学
第6話  正座とお供え
第7話  重々帝網とインターネット
第8話  すまない
第9話  遍路と施し
第10話 誰の物?
第11話 白衣の意味
第12話 詩を読もう 〜土〜
第13話 相互礼拝
第14話 尊物(とうともの)


 

 

 
 
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