第4話 良い方へ考える
「み仏さまのみ教えとはなんですか?」
時々このような質問をする人がいます。
仏教には多くの深いみ教えがあり、一言ではなかなか難しいことです。
しかし、私は「楽に生きる方法を説いたものです。」と答えるようにしています。
明治の時代に次のようなお話があります。
あるお寺の門前に一人の老婦が住んでいました。
この老婦は寝てもさめても、天を見上げては始終泣いていることから、「泣き婆」と呼ばれていました。
ある日のこと、泣き婆の噂を聞き、和尚さんが哀れに思い、その家をたずねました。
「あなたは毎日泣いているというが、何がそんなに悲しいのか?」と和尚さんが尋ねますと、老婦は「はい、私には二人の娘がおります。その娘の一人が傘屋に嫁ぎました。天気が良い日は傘が売れずつらい思いをしているだろうと考えるだけで、涙があふれてくるのです。
もう一人の娘は下駄 屋に嫁ぎました。雨の日が来ると下駄が売れずつらいだろうとまた涙が出てくくるのです。」話終わるとまた「ワーッ」と泣き出す始末。和尚さんは微笑んで、こう諭しました。
「あなたの考え方は反対だ。晴れたら、下駄 屋の娘が喜んでいると笑い、雨が降ったら傘屋の娘が喜んでいると考えればどれだけ楽なことか。」
それを聞いてから老婦はニコニコと笑顔で有名になったということです。
この話を読んで思わず吹き出した人もいるでしょう。
しかし、人の悩みというのは他人からみるとこの程度のことなのです。
み仏さまから見てみるともっとちっぽけなことかもしれません。
私達は数多くの困難にぶつかります。
そんなとき、み仏さまの智恵によって違う角度から光を当てていただき、生かしていただいているのです。
「私達を楽に生かす」それがみ仏さまのみ教えなのです。 |