第2話 父母の役割
お大師さまは四恩ということがたいへん大切だと説かれています。
特に子供が親に対して報恩については「返しても、返しても、返しきれない親への恩」と述べられています。
口では簡単ですが、なかなか日頃から両親に感謝して生活しているかと言われると困ってしまう人も多いのではないでしょうか?
逆に親として子供に接する時、どのようにすればいいのか悩んでいる人も多いようです。
現代、起こっている親子間の痛ましい事件をみてみても、それぞれの役割がおかしくなっているといっても過言ではないでしょう。
先人達は、漢字を使って様々な戒めや教訓を生み出してきました。
父母の役割についても面 白いお話が伝わっています。
それは「父母の役割を忘れた場合、くさかんむりをつけるべし」どういうことか少し考えて見て下さい。
母にくさかんむりを付けますと『苺』という字になります。
苺はどのようなものが美味しいかと考えますと、「甘くて、少しすっぱくて、青すぎず、熟れすぎず、食べた後にほんのり残り香が口に残る。」人それぞれの好みはありますが、このようなことが美味しい苺といえるでしょう。これはお母さんにもいえるのです。
子供に対して、優しすぎても(甘すぎても)いけません。ガミガミ厳しすぎても(酸っぱすぎても)いけません。
子供が母を思い出すとき、やはり苺の残り香の如くありたいものです。
父にくさかんむりを付けますと、少し難しいですが『艾(もぐさ)』という字になります。
今ではあまり見られなくなりましたが、体の疲れや痛みと取り除くあの艾です。
日頃は何に使う物かもわからず、ひとつ間違うと不要品に見えてしまう艾ですが、ひとたび患部に置き、火を付けると素晴らしい効力を発揮します。
これはお父さんにもいえるのです。
日々の仕事に疲れ、休日に家でゴロゴロしていると子供達はお父さんの偉大さを忘れているかもしれません。
しかし、家族が間違った方向に進みそうになったり、困難が立ちはだかった時、家族の柱として正しい効力を発揮するのが、本来の父親の姿なのです。
「父母の役割を忘れた場合、くさかんむりをつけるべし」このことを胸に子供に接することが子供に報恩を説く近道なのかもしれません。 |